Chapter 1


ペルー共和国



どんな国か知っていますか?

9月16日フジモリ大統領が辞任を表明し、ペルー政界の先行きは混沌としています。
先日も一部の情報として、軍の動きがあり政変の可能性が生じたこと、それに伴い日系人および在住の日本人は外出を見合わせるようにとの連絡を受けました。
翌日、誤情報だったことが判明し結果的には何事も起きませんでした。
 「ペルー」が注目されるのは、前回の決選投票を含む2回の大統領選挙や今回の辞任表明など政界の混乱時がほとんどで、あとはペルーに関心を持つ一部の人たちのあいだで「インカ遺跡」や「アンデス」の観光地が話題にのぼるぐらいでしょう。
 ペルー通信の第1回は「ペルー共和国」のデータの紹介です。

[位置]     南米大陸の中北部・太平洋に面する。
         南緯12度
         時差=日本時間マイナス14時間

         「ペルー」=「インカ」「アンデス」のイメージが強く、
太平洋
に面していることは意外に知られていない。
         漁獲高は世界第1位(少し前の資料ですが)。
         時差14時間はほぼ昼夜逆で、日本から電話するとき相手
         の時間帯をとっさに計算するのに「昼夜を逆に戻してさらに
         2時間引く」を実行していました。

[面積]    128万平方キロm 
         日本(37.7万平方キロm)の3.4倍

[人口]    26百万人
[首都]    リマ市 (人口6百万人)

[人口構成] 原住民(インディオ)50%  混血(メスティーソ   35%
         欧米系   13% アフリカ系・中国系・日系  2%

        日系人は8万人で約0.3%。
        大統領が日系であること、日本からの移民の歴史が長く
        昨年 移住100周年を迎え たことなどから、日系社会の
        ウェイトが大きいというイメージがある割には構成比率は
        小さい。

[公用語]  スペイン語
[通貨]    ソル(1ソルは現在約30円)
         米ドル

        公式通貨ソルと並行して米ドルが一般に通用していて
        ほとんどの商店でどちらでも受け取ってくれる。

[宗教]    カトリック
        スペイン統治の影響からカトリックが圧倒的
        インディオの人たちも強制的に改宗させられたため
        地方の村にも教会がある

[産業]   水産及び水産加工/農業/銅・銀・鉛などの鉱業/
        外資系の諸工業
        ジャガイモ・トウモロコシ・トマトの原産地
        いずれもヨーロッパから伝えられたものと考えられがち
       ですが(事実そうですが)もとはといえばペルーが原産地
       です。

       “新大陸が旧大陸を救った ……”
       小麦粉を主食としていたヨーロッパでは天候不順で飢饉
       がたびたび起きていた。スペイン人が“新大陸”を発見し、
       金とともにジャガイモをヨーロッパに持ちかえってから天候
       の影響を受けないジャガイモのおかげで飢饉から開放され
       たため“”新大陸が旧大陸を救った“”といわれている。

[歴史]  紀元前18世紀まで〜ペルー中・南部各地に先土器文化
       紀元前18世紀〜原初土器・原初農耕
       紀元前10世紀〜チャビン・ナスカ・リマ・ワリ・ティアワナコ・
              チャンカイなど各時期・各地に「プレインカ」
文明
      15〜16世紀〜「インカ」帝国が統一・全盛となる
      1533年〜  インカの「金」を目当てにやってきたピサロに
              征服され、以後スペイン統治下に入る
      1821年〜  独立宣言

[観光]  「インカ帝国」の首都だった「クスコ」とそこからのルートで
      「マチュピチュ」や地上絵で有名な「ナスカ」などの遺跡。
      標高3800mの「チチカカ湖」と草を浮かべた島に住む
      インディオ。
      アマゾン沿いの町「イキトス」。などが知られています。
      しかし、見落とされがちですが「インカ」「プレインカ」の遺跡は
      他の各地にあり、また首都リマにはスペイン統治の影を色濃
      く残した建築物や公園、当時の邸宅をそのまま使ったレスト
      ランや避暑地など興味あるスポットが多くあります。

      「クスコ」は「へそ」の意味。現在はペルーの南寄りに位置します
      が、インカ帝国の統治範囲は現在のペルーより広く、南はチリ
      のマウレ川まで及んでいたと考えられます。統治面積は200万
      平方キロm。
      日本の5倍です。
      「チチカカ湖」の真中にボリビアとの国境があり、「チチカカ湖」
      のボリビア側近くにボリビアの首都「ラパス」があります。
      「ラパス」の空港は標高4071m。 

[気候]  日本の緯度北緯35度前後に対し、南緯12度は20度以上
      赤道に近いです。
      当然日本より暑いはずですが、リマの夏の最高気温の平均は
      28度。これはペルー沿岸を北上する寒流の影響で気温が抑え
      られるため。
      しかもこの時期湿気が少なく、日陰に入れば暑さを感じることは
      まずないといいます。
      ただ近年ここペルーでも温暖化の影響から30度に達すること
      があり、特に今年は30度の日が何日かあって大騒ぎしたそう
      です。
      しかし連日34〜35度+湿気だった大阪や東京にくらべると
     天国に近いです。
      また、冬の最低気温の平均は14度でこちらも大変過ごしやす
      いといえます。ただし、この時期は湿気が99〜100%で気温
      よりは寒さを感じるようです。

      リマ地域の気候にはもうひとつ大きな特徴があります。
      雨がまったく降らないことです。年間の降雨量が20ミリ。
      実際こちらに来てからも一度、わずかの時間霧の状態があり、
      道路が湿り気を帯びたことはありましたが「雨」は降っていま
      せん。海水の温度が低く蒸発しないため雲が発生しないからだ
      そうです。 
      リマを含む沿岸地域を〔コスタ〕とよびますが、そのほかに気候
      的に全く異なる二つの地域があります。

〔シエラ〕 アンデスの山と高原地帯
      冬(6〜8月)を中心に4〜10月の間は晴れて「クスコ」「チチ
      カカ」「マチュピチュ」などの観光はこの時期がいいです。
      それ以外の時期は雨季。

〔セルパ〕 密林地帯
       アマゾンの源流を含む、アンデスの東斜面で高温多湿。未
       開発地域。
       ペルーの北にある国「エクアドル」はスペイン語で「赤道」の
       意味です。


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